本研究では、スクールカウンセラー(SC)によるコンサルテーションにおいて、コンサルティである教師が自分の実践知とは異なる視点だと感じたとき、どのように自分の違和感に向き合い、教師としての専門性を向上させたかを明らかにすることを目的とした。9名の教員を調査対象者として半構造化インタビューを行い、M-GTAで分析した。結果として、以下の点が明らかになった。教師は自分の実践知とSCの提案に差異を感じると自信を持てない状態に陥る。しかし葛藤を感じながらも同僚の支えを得て自らの新たな視点を獲得し、教師としての専門性を向上させていた。よってSCが教師の実践知に基づく支援法を理解し、意見の不一致があっても見守りつつ待つという姿勢や、教師が葛藤を感じたときにSCに伝えられるような関係性を築くことが、重要であることが示唆された。

 

key words: スクールカウンセラー, 教師, コンサルテーション, 実践知, M-GTA